身近な木製品を五感で感じる心穏やかなひととき
日常の中に息づく自然を感じる
私たちの身の回りには、意識を向けると五感を心地よく刺激してくれるものがたくさんあります。特別な場所へ行かなくても、いつもの生活空間の中にも、自然との繋がりを感じられるきっかけは隠されているものです。
今回は、私たちの暮らしに寄り添う「木製品」に焦点を当ててみましょう。テーブルや椅子、棚、小さな雑貨など、木でできたものは私たちの生活に欠かせません。これらを「ただの道具」としてではなく、五感を通じて丁寧に感じてみることで、心穏やかなひとときを見つけることができるかもしれません。
視覚で感じる木の表情
まずは、視覚を使ってみましょう。お気に入りの木製品をじっと見つめてみてください。
- 木目: 一つとして同じものがない木目の模様をゆっくりと目で追ってみましょう。年輪、節、色の濃淡など、そこに宿る時間の流れや自然の営みを感じられるはずです。
- 色合い: 木の色合いは、使われている木の種類や時間の経過によって異なります。使い込まれて深みを増した色、新しさの中に木の息吹を感じさせる色など、その豊かな表情を観察してみましょう。
- 光と影: 部屋の光が木製品に当たって生まれる影や、木目に沿って光が反射する様子も見てみましょう。光の変化によって、木製品の見え方がどのように変わるかを感じてみてください。
触覚で感じる木のぬくもり
次に、手で触れてみましょう。木製品の表面にそっと触れてみてください。
- 手触り: 表面の滑らかさ、少しざらついた質感、彫り込みの感触などを指先で確かめてみましょう。木の種類や仕上げ方によって異なる手触りを感じられるでしょう。
- 温度: 木は私たちの肌に心地よい温度感を与えてくれます。冷たすぎず、温かすぎない、自然なぬくもりを感じてみてください。
- 凹凸: 木目や節によるわずかな凹凸、木の繊維の方向などを、指の腹でなでながら感じてみましょう。自然が作り出した形や構造に触れることができます。
嗅覚で感じる木の香り
木製品からは、ほんのりとした木の香りが感じられることがあります。
- 木の香り: 顔を近づけて、深呼吸するように香りをかいでみましょう。森林浴を思わせるような清々しい香り、落ち着きのある穏やかな香りなど、木の種類によって異なる香りがするかもしれません。この香りは、心を落ち着かせ、リラックス効果をもたらしてくれるでしょう。
聴覚で感じる木の響き(穏やかに)
木製品そのものから大きな音が出ることは少ないですが、物の響きや空間との関係で音を感じることもできます。
- 物の音: 例えば、木製のテーブルにそっと物を置いたときの音、木製の箱の蓋を閉める音など、木という素材を通した音の響き方に耳を澄ませてみましょう。硬いものとは違う、どこか柔らかく響く音を感じられるかもしれません。これは、周りの音に意識を向けるきっかけにもなります。
日常に取り入れる簡単な方法
これらの五感を使った「木製品を感じる」時間は、特別な準備は必要ありません。
- コーヒータイムにテーブルの木目をじっと見てみる。
- 読書中に手触りの良い木製のブックスタンドを触ってみる。
- 寝る前に木製のベッドフレームやサイドテーブルの香りをそっとかいでみる。
- 家の中で気になる木製品を見つけたら、その場で少し立ち止まり、見て、触れて、香りをかいでみる。
このように、普段何気なく使っている木製品に意識的に五感を向けるだけで、そこに宿る自然の温かさや優しさを感じ取ることができるでしょう。
まとめ
身近にある木製品は、私たちの五感を刺激し、日常の中に穏やかな時間をもたらしてくれる存在です。木目、手触り、香りなどを丁寧に感じてみることで、自然との繋がりを感じ、心のリフレッシュに繋がるかもしれません。
難しいことは何もありません。ふと気づいた時に、あなたの隣にある木製品にそっと触れて、その存在を感じてみてください。きっと、日常の中に隠された小さな安らぎを見つけられるはずです。