一本の樹木と五感で深く繋がる 心穏やかな時間の過ごし方
日常にある樹木に目を向ける
私たちの周りには、意識を向けるとたくさんの自然があります。通勤路や公園、庭先など、きっとあなたの身近にも樹木があることでしょう。いつも何気なく通り過ぎているその一本の樹木は、長い年月をかけてそこに根を張り、黙って私たちを見守ってくれているかのようです。
この樹木に少しの間だけ立ち止まり、五感を澄ませてみませんか。特別な場所に出かけなくても、すぐそこで自然と繋がり、心穏やかなひとときを過ごすことができるかもしれません。ここでは、一本の樹木と五感で深く繋がるための具体的な方法をご紹介します。
一本の樹木と五感で繋がる具体的な方法
心を落ち着け、樹木の前に立ち止まってみましょう。深呼吸を数回行い、意識を「今、ここ」にある樹木へと向けます。
視覚で感じる
まずはじっくりと観察してみてください。 樹木の全体的な形、枝の伸び方、葉の色や形はどうでしょうか。一枚一枚の葉に光がどのように当たっているか、影はどう落ちているかを見てみましょう。 そして、樹皮の模様や質感に目を凝らします。季節によって、あるいは同じ樹木でも場所によって、その表情は異なるでしょう。幹の力強さや、樹皮の細かな割れ目など、時間の経過を感じる部分を探してみるのも良いかもしれません。
聴覚で感じる
静かに耳を澄ましてみてください。 葉が風に揺れる音を聞いてみましょう。そよぐ風の音、強く吹く風の音、樹木の種類によって葉の音も変わるかもしれません。 枝の間から聞こえてくる鳥のさえずり、雨が葉を打つ音、木々の隙間を通り抜ける風の音など、樹木を通して聞こえてくる自然の音に耳を傾けてみます。
触覚で感じる
優しく触れて、その感触を感じてみましょう。 樹皮にそっと触れてみてください。硬さや柔らかさ、凹凸や滑らかさ、暖かさや冷たさを感じられるはずです。手や指の腹で優しくなぞってみるのも良いでしょう。 落ちてきた葉や小枝を拾って、その質感を感じてみるのもおすすめです。葉の柔らかさ、小枝の固さやざらつきなど、それぞれの違いを感じてみます。
嗅覚で感じる
鼻を使って、樹木の周りの空気を感じてみましょう。 樹皮や葉から独特の香りがするかもしれません。雨上がりの湿った土や、周囲の草花の香りが混じり合っていることもあります。 目を閉じて深呼吸し、その場所の「匂い」を全身で感じてみてください。木々の香りは、心を落ち着かせ、リフレッシュさせてくれる効果があると言われています。
五感を研ぎ澄ませて得られる効果
このように一本の樹木に五感を向ける時間は、私たちに様々な効果をもたらしてくれるでしょう。
五感に集中することで、思考から離れ、「今」に意識を向けることができます。これにより、心が落ち着き、日々の忙しさで高ぶった気持ちが静まっていくのを感じられるかもしれません。 また、樹木の力強い存在や、移りゆく季節の中で変化していく姿を感じることは、私たち自身の内なる生命力と繋がるような感覚を与えてくれるでしょう。自然の一部であるという感覚は、安心感や安定感をもたらし、心の癒しに繋がるはずです。
あなただけの特別な一本を見つけてみましょう
身近にある一本の樹木と五感で繋がる時間は、特別な準備や知識を必要としません。ほんの数分でも構いませんので、ぜひ試してみてください。
毎日同じ樹木に立ち寄ってみるのも良いでしょう。その日の天気や自分の心の状態によって、樹木から感じられるものが違うことに気づくかもしれません。そうすることで、その樹木はあなただけの特別な存在となり、いつでも心の支えになってくれるかもしれません。
日々の生活に、樹木と繋がる穏やかなひとときを取り入れてみてはいかがでしょうか。